現場が優秀だとシステムが改善されない

 問題は、ナースたちが優秀であればあるほど、システム上の問題点が病院の経営側に伝わって来ないこと。ナースたちにとってみれば、システムの欠陥を指摘する・他人のミスを指摘する・ミスの原因を徹底究明する・経営陣に改善を申し出る、などは彼らの仕事ではなく、そんな暇があったら一分一秒でも患者のためになることをすべき。

 病院の経営陣が、そんなナースたちの「問題解決能力」に大幅に頼って病院の運営を続けているために、いつまでたってもシステムそのものの改善が出来ない、というのがこの論文の要旨である。論文は病院を題材にしているが、筆者が伝えたいのは、この手のことは病院に限らずいろんな職場で起こっているという点である。

改善が経営陣の役割だと言うことになっている所に微妙な違和感。どちらかというと経営陣には、現場にシステムの改善に手が回るようにしてあげるとか、現場がシステムを改善しようと言ってきたときに後押ししてあげるとか、そういうことをして欲しいなあと。