3連単はバーゲンセールだ

ギャンブルとは、相手と自分の認識の差を現金に変換するプロセスですから、自分が強いほど、相手が弱いほど得られるものは大きくなります。

って昔書きました。3連単馬券というのは、相手と自分の認識の差を最大に表現出来る馬券であるので、正しい認識を持っている人には武器になる馬券です。

・・・というのは、定性的というか、へりくつみたいなものですが、今日は3連単が得な馬券であることを数字で示したいです。

3連単は、単勝馬券を3つ重ねた馬券と見ることができます。

まず出走馬から1着馬を選択し、それ以外のメンバーのなかで最先着する馬(2着)を選択し、さらにそれ以外のメンバーから最先着する馬(3着)を選ぶのが3連単です。つまり、3回単勝を当てることと3連単を当てることは難易度として同程度です。

3回単勝を転がすとき、問題になるのは控除率です。今中央競馬単勝控除率は20%で、期待値は80%です。これを3回ころがすと、3回控除されます。このときの期待値は0.8*0.8*0.8≒0.51というわけで51%になります。恐ろしく低率です。ですが、3連単の場合は75%です。およそ1.5倍、3連単の方が控除率が安い馬券です。

・・まだちょっと屁理屈臭いな。

ここに、単勝をコンスタントに買い続け、88%の回収率を上げる人がいるとします。ちょっと負けてます。けど、控除20%を考えると、8%分優秀です。もし控除が0%であれば、この人は回収率110%になっているはずです。

この人が単勝を3回ころがしたとき、0.88*0.88*0.88≒0.68で平均すると68%しか回収できません。かなり負けます。

ところが、3連単になると話が全然違います。控除が1度しかなされないのが鍵です。

控除なしの時の110%、これを3度ころがします。1.1*1.1*1.1=1.331で、133%です。これに25%を控除します。1.331*0.75=0.99825。なんと、回収率は99.825%になるはずなのです。ほとんど負けません。単勝を買い続ければ12%分負ける人が、3連単を買い続ければ1%も負けないのです。これは、単勝だけで回収率が80%を上回っている人は全員3連単を買った方が得な計算になります。80%を下回る人は、細々単勝を買った方が負けなくて良いんですけど、そうでない人は3連単が一番得です。

だから、3連単はバーゲンセールの馬券なんです。なぜみんな買わない?

3連単がバーゲンセールだというのは、アンドリュー・ベイヤーの「競馬探求の先端モード」にある言葉ですが、こうするとわかりやすいかなと)

・・・・とはいいつつ、この話には大きな穴が一つあります。それはまた別個に。

#書いててちょっと自信がないところもあるので、理屈として間違ってたら突っ込んでください