ウインビバーチェ

会社の同期で、私がラフィアンに出資した馬の自慢をさんざん聞かされたせいで洗脳され、ウインビバーチェというエンドスウィープ牝駒に出資した男がいる。彼の愛馬のデビューは暮れの開催の予定だったが、佐々木師の判断で今週土曜日に下ろすことになったらしい。調教時計やコメントをみつけては会社のemailで私に送ってくる。相当に入れ込んでいるようだ。

彼は私以上に強烈な残業量で、毎月100時間に迫る残業をマークしている。表情からは明らかに疲れが見て取れるし、仕事中にうとうとしていることも多い。週末にメインレースを少し購入してストレスを発散する程度で、このまま行けば精神的に参ってしまうのではないかとさえ思えた。

それが馬に出資することによって、競馬が週末だけのものではなくなり、愛馬が馴致を始めただの、ゲートを順調にこなしているだの、初めて時計を出しただのと残業だけの日々ではない、変化のある日常になっているように見える。出資金額は少ないが、それでも楽しい一口生活のようだ。

たまに顔を合わせれば、「うちの仔が」「うちの仔も」と自慢合戦。今のところ彼の馬はデビュー前であり、質と量で私にかなわないが、週明けには是非新馬勝ちを果たした彼の自慢を聞きたいと思う。