パターン、Wiki、XP ~時を超えた創造の原則 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)

パターン、Wiki、XP ~時を超えた創造の原則 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)

昨日、著者の江渡さんと角谷さん懸田さん両氏のトークセッションを聞いてきた。

江渡さんはまず歴史と本の内容に沿った解説。アレグザンダーという人が一体何をやりたくて、それをケント・ベックウォード・カニンガムがなにをしようとしてきたのか、そしてその中にXPやWikiがどう登場してくるのかというストーリー。

そして角谷さん懸田さんはもう完全にどこかへ行ってしまった感じでアレグザンダーから受けた電波を再発信。文字にできる感じじゃない。でもたぶんそれは元々のアレグザンダーも何か明確に言語化できているわけではないから仕方がないというか、当然だと思う。こっちも良い具合に電波酔いして帰ってから妻に再発信してみた。ぼくが話しておもしろがってくれたんだからたぶんすごくおもしろいんだよ。

いろいろネット上にメモも出ているけど、手元のメモ。とりあえずまだ暖かいうちに。

  • wiki
    • wikiに興味を持って作ってきた(qwik.jp)
    • 機能を追加すると、悪くなることがある
    • wikiの本質を強化するのであれば良い機能になる
    • wikiの本質とはなにか
  • パターン
    • パターンランゲージというフォーマットをデザインパターンとしてソフトウェアに導入
    • フォーマットの導入だけで、アレグザンダーのいうパターンの重要な要素を抜け落としているのではないかという反省
    • コンピュータユーザは自分のプログラムを自分で書くべきなのである
    • デザインパターンを使うと作れるのはどこかで見たPGが作れるというそれだけですよね
    • 「無名の質」から出る良さが出るのが本来の「パターン」
    • 計画してびしっと作り出されるものではない
  • XP
    • XPでパターンという言葉を使わずにパターンをソフトウェア開発に導入しようとしていた
      • 社会構造の変革
      • っていうか「時を超えた建設への道」はXPそのものじゃん
  • アレグザンダー
    • 知の合成に関するノート(1964)
      • デザインのプロセスを数学的に規定しようとしている
      • 要求をツリーにならべて、満たす形を見つけることをデザインとした
        • #QFDじゃん
    • 都市はツリーではない(1965)
      • 要求はツリーに並べられないといきなり悟った
      • 要求条件は少しずつ集まっていく、まとめあげられていくもの。ボトムアップ
    • オレゴン大学の実験(1975)
      • 利用者参加へ舵を切る
    • パターンランゲージ(1977)
    • 時を超えた建設への道(1979)
    • 形を科学の対象にするのはむずかしい
      • パターンはそれをやろうとしている
      • 形を再現可能、制御可能にしようとしている
  • 本に書かれていないこと
    • どうやればパターンが作れるのか
    • 構造保存変換
      • 構造を保ったまま質を高める変換が行われること?
      • Nature of Orderでついにこれについて説明しようとしている
      • rubyでいうとイテレータを自然な形で導入したこと
    • 自然は美しいが、なぜか人工物は美しくない
      • #いや、美しいとか言う言葉もたぶんニュアンスを伝え切れていない。無名の質がしみ出していない、ということ。
    • 宇宙から原子の構造までのスケールで無名の質はある
    • 自然がやっていることをどう人がやるのか
    • 本当は「創造(creation)」ではなくて「生成(generative)」
      • 作ろうとして作られるのではなく、勝手に出てくる感じ