失敗を活かす馬券術

失敗を生かす仕事術 (講談社現代新書)

失敗を生かす仕事術 (講談社現代新書)


東大名誉教授の著書も、私に掛かると単なる馬券本と同じレベルで紹介されてしまうという自分の失礼さ。


まず失敗し、そこから仕事を定式化していき、改善をする。それを行う力でしか制約条件の変化には対応出来ないと本書では言われています。


競馬ではファンはほとんどのレースが「失敗」します。ハズレのほうが圧倒的に多い。といって、今その人が扱っている方法論が失敗であるとは限らない。競馬は収束するのが圧倒的に遅いので、成功を失敗と、または失敗を成功と認識してしまうことが非常に多くて、そこを扱うセンスが勝負の分かれ目なんじゃないかと思います。

そのセンスというのは、この本で言われている「定式化」。スピード指数だの○○ビームだのといった特定の競馬理論に頼らない、自分の頭の中での競馬の解釈をしっかりしてないと、理論の背景にある競馬のモデルが応用出来ません

たとえば、競馬が洋芝になってスローペースのレースが増加し、色々なファンから「競馬がスローで馬券がつまらなくなった」と言われてましたが、それは単に競馬の制約条件の変化にその人がついて行けなかっただけでしょう。競馬のモデル化をもう一度行わなければいけないだけです。それも今までの競馬のモデルが頭の中にある人ならばそれほど難しいことではないんじゃないかとこの本を読んだ今は思えます。

#スポーツの質とか、エンターテイメントとしてのレースという意味であれば理解出来ないこともないですが<スロー批判

あるハズレによって競馬の制約条件の変化を察知し、それに対応した定式化を行い、すばやく馬券に反映することが、失敗を活かす馬券術ですね。