第51回有馬記念〜

一番強いのはディープインパクトディープインパクトだ。ジャパンカップの競馬は、4角から大外を捲り上げる競馬。普通の感覚から言うとはっきり早仕掛けだ。でも、この馬はいつもそういう騎乗に応えてきた。33.5秒の上がりで最後まで衰えることなく脚を使い続け、最後はドリームパスポートを寄せ付けなかった。

ディープインパクトの持ち味はその末脚で、スケールの大きなフォームをめいっぱい広げて走れる条件がもっともこの馬の力を発揮出来る。春の天皇賞を勝った京都外回りコースも、ダービー・JCを勝った東京競馬場も、ディープのための舞台だったと言える。

でも、今回は中山競馬場。3角下りから仕掛け始めたら、3角4角でずっと外を回ることになり、速い足がムダになる危険性はある。実際昨年はそのような結果になった。

ディープインパクトの評価はどうしても印象の強いJCや天皇賞のパフォーマンスでなされることになる。彼は強いし、日本競馬史上最高クラスの馬だけれども、ギャンブルの観点から言えばこの馬を頭から買うのは苦しい。

昨年の有馬記念は、レースの上がりが35.5秒、勝ったハーツクライは35.0、ディープ34.6だ。レースレベルやペースの議論はあるが、先行・好位ならば35秒前後、中団後方に位置すれば34秒台前半が勝つために必要な上がり3F時計と言える。昨年はタップダンスシチーコスモバルクの先行による早めのペースアップの競馬だった。今年もコスモ、メイショウサムソンアドマイヤメインデルタブルースなどが早めに動く競馬をすると考えられ、昨年同様の流れが要求されると思う。ディープインパクトが昨年同様の競馬だとすると、内目の前で待機して抜け出すタイプの馬がもっとも怖い。有馬記念というのは元々そのタイプの穴馬が多く、アメリカンボスコイントスもこのパターンで上位入線を果たしている。

必要な35秒の上がりと前付け出来る先行馬という条件で人気薄をピックアップしたい。

本命はトウショウナイト。え?振りすぎ?そうですか?
今夏札幌でコスモバルクを斤量差があったとはいえ0.7秒差で千切り捨て、苦手な上がり勝負の京都大賞典では0.1秒差3着に食い込み、今回と同距離のアルゼンチン共和国杯では競り合いを制して重賞ウイナーとなった。元々この馬はしぶといタイプで、大崩が少ない。テンから速い流れで殴り合いの競馬では最後まで保たないが、中山2500m独特の一旦緩んだあとからロングスパートなら崩れない。先行好位で内を回り、直線では早めに抜け出していれば・・・まさかまさかのケースもある。

相手はコスモバルク。昨年は決して楽な流れではなかったと思うが、4着と好走。今季は一時の不調を脱して崩れなくなって信頼度が増したし、中山コースでは早めにスパートする展開なら、大きな体を存分に使った戦車のようなフットワークで坂を登ってこれるはずだ。

メイショウサムソンも東京で崩れたが中山で笑えるクチ。早めに目標を捉えて確実に走りきるのが勝ちパターン。競馬の方向性はこの馬に向くはずで、オッズ以上の好走を期待したい。

おもしろいのがウインジェネラーレ。中山芝に限ると1,2,1,3,6着。その6着も勝ち馬に0.1秒差と、安定している。思い切り人気がないので、間違えて先行した場合の怖さがある。この馬を無印にするほど自分には度胸がない。

ドリームパスポートは上がりがあるタイプだが、中山で先行してあの脚が使えるかどうか。そもそも先行出来るのかどうかが疑問。いつも通りの中断からいつも通りの脚を使うのであれば、ディープインパクトに先着はし得ないし、それだけで上位にこれるほど古馬は甘くない。

ダイワメジャーは、スピードに乗って一気に押し切るタイプ。一旦緩めた後のロングスパート合戦でもまたアドバンテージがあるとは思えない。

トウショウナイト
コスモバルク
メイショウサムソン
ウインジェネラーレ
ディープインパクト
ドリームパスポート
×スウィフトカレント
×スイープトウショウ
×デルタブルース