東京優駿 - これで良かったと思えるダービー

アドマイヤメインの逃げは1000m通過62.5秒、道中は12秒台後半を続けてマークする緩い流れ。最後5Fのラップは12.5-12.0-11.5-11.8-12.0と3角過ぎからペースが上がり、最後まで脚が上がらなかった馬が上位へ来たという競馬でした。

メイショウサムソンは地味ですが強い馬ですね。馬場やペース、枠順の影響もあったと思いますが、前付けからきっちり前を捕まえる競馬をできるあたりは力以外の何者でもありません。常に前から早めに動くという競馬を繰り返してきたこの馬が、いつもの競馬をまじめに実行したことが結果につながりました。この競馬でいいんだと自信を持っていると言うのは本当に強みですね。中山だろうと、東京だろうと、1600だろうと2400だろうといつもの競馬をするだけ。これは京都の3000mへ行っても同じことでしょう。そのときに、この馬以上のスタミナとトップスピードを持った馬がいるかいないかと言うだけのことです。

アドマイヤメインは2着。この馬も強いですが、もう少し違う競馬は無かったのかなと言う気はします。今までにないほど遅いペースの逃げでした。距離や馬場を意識してのことかもしれませんが、そういう競馬を考えてしまった、考える必要があったという点が明暗を分けたのではないかと思います。ステイヤーという感じの体つきではないので、今後の扱いは難しいかもしれませんが、速くこの馬の適性、この馬の一番の乗り方というのを見つけてあげてほしいと思います。すばらしい馬だと思いますので。

ドリームパスポートも一瞬伸びたのですが、ゴール前は脚が上がって逆にマルカシェンクに迫られました。

アドマイヤムーンは後方からインを突こうとしたけれどそこに進路はなく、一度外へ立て直したときにはすでに坂上。届くはずもありませんでした。スローペースで馬群がばらけないなかでこの馬場状態。かなり苦しい競馬を強いられました。また巻き返しはあるでしょう。

サクラメガワンダーは若干折り合いを欠き気味。4角を外から押し上げていったけれど、そこでおしまい。フサイチジャンクも外を回して伸びませんでした。これは馬場とペースでしょう。


石橋騎手は本当に良かったですね。競馬場全体が石橋騎手を祝福しているような感じがしました。アドマイヤメインが1着だったら、馬券は厚めに持っていたのですが、表彰式で石橋騎手に送られる拍手を見ていたら、これで良かったと思えました。こういう競馬もいいものです。