岩手県議会、岩手競馬への融資案否決

岩手県議会は15日の本会議で、巨額の赤字を抱える県競馬組合などへの297億5000万円の融資を盛り込んだ2006年度2月補正予算案を否決した。同組合は3月中に返済が必要な178億円の調達が困難となり、岩手競馬は廃止に追い込まれる公算が大きくなった。

自分には競馬存続バイアスがかかっています。その上で冷静に考えてみたい。

  • 廃止したときのデメリット
    • 借金が損失として確定する
    • 関係者への補償が必要
    • 経済への影響
  • 存続したときのデメリット
    • 負債が膨らむおそれがある

ここでは、岩手県における価値を考える。で、県議会も岩手県における価値を考えた結果、否決されたと信じる。そのとき、反対された方々は競馬を続けて負債が膨らむリスクのほうが競馬廃止の影響よりもデカイと判断されての結果であるということになる。

うーん。どうなんだろうね。岩手県民にとって競馬を廃止するのが良いのか、融資して存続させる方が良いのか、それは正直分からん。存続して欲しいとは思うけど、それは政治的な意見ではないから。

で、この決定に批判的な人たちは、

とかいう理由をひねり出しているのが目に付くけれど、それは議論・決定のプロセスを批判しているだけで決まった内容への反論にはなっていない。もし存続を主張・説得したいのであれば、競馬存続が合理的に採るべき案だということを示さなきゃいけない。自分が気になるのは、どう考えても正しい案が政治的な理由で却下されたのかどうかと言うこと。存続案の楽観さは、

前者に関して、昨年11月20日に出された新しい岩手競馬改革計画概要についてという文書を見ると、例えば賞典費は32億円→24億円と8億削減するなど、経費削減が図られてはいますが、売上高見込みは、他の地方競馬の馬券を販売する期間が増えるという事から、298億6700万円から299億500万円へ増える事を見込んでいます。
これは、一年で僅か3800万の売上増加見込みである、と見ることも出来ます。僅か3800万増えれば、収支は黒字となり、融資も僅かずつではありますが返済されてくる道筋をつけられる、そんな試算です。ただ、記憶に新しいのは、ばんえいの存廃問題の時、岩見沢市で否決された、いわゆる帯広案(参考記事)は、今年度の25%減の売上げ見込み、今年度岩見沢平均の11%減、昨年度帯広平均の13%減のの一日売上げ見込みを柱にした収支均衡策でした。それですら、存廃問題が議論される中では、理解を得られる案ではなかったのです。

ということでもあるし、否定出来ない。存続して、はっきり黒字になる可能性を示せなかったと言うことは言えそうで、そこのところは弱いよな。自分は競馬が好きだから続けて欲しいと思うけれど、現状、自分には競馬を続けて黒字を出せると言うことは言えない。競馬の売り上げはまだ下がり続けるよ。メインの顧客である高齢者はどんどん減っていくんだから。


もう、各競馬場単体で収支均衡へのビジョンを出すのは難しいのかもしれない。ブロック化とかそんなせこい話じゃなく、JRA含めた日本全体での競馬のビジョンというのがないといけないんじゃないか。あと、黒字の可能性に向けて投資するというような判断が地方公共団体の議員たちにできるとは思えず、競馬を続けるには競馬に対してリスクを取れるだれかが、政治のコントロール下でギャンブル胴元を運営するというやり方でないと続けていけないんじゃないかと思う。